それは、音と光のロスト・パラダイス。
不思議な魅力にとり憑かれ、
人々は今日も、やむにやまれず足を運んでしまうのだ。
それは、どんな風雪も止められやしない。
どんな風雪もだ。
唐突な話になるかもしれないが、
ガリレオ・ガリレイの地動説によれば、
宇宙を時速10万kmで進む地球では、
自転が反時計回りに繰り返されているため、
「西から昇る太陽」と、
「ギターの鳴らない夜」はない。
2014年2月8日、土曜日午後8時。
ある友に誘われ、やって来たのは国分寺。
ライブをやるという。
前日からなかなか眠れなかった。
当日は当日で、中野駅で2時間中央線が止まった。
物音ひとつしない車内で、白い夜空をずっと眺めていた。
ぜんぶ、雪のせいだ。
(JR SKISKIより)
ようやく辿り着いたライブハウスへ降りる階段。
ドア越しに聞こえるのは友の声。
ああ。
オレの好きな歌だ。
数十年ぶりの記録的大雪が堪える東京の一角で、そっとひらく手のひら。
真っ赤になったその手をぐっと固く握りしめて、
ちいさなハコの空高く掲げよう。
あいつへ届け。
見えているか。
たとえ世界が終わろうとも、
これがオレの、
生きている証だ。
なんて・・・
なんて日だ!!!!!
(バイきんぐより)